穴窯


     あまり知られていませんが
   渥美半島は室町時代に東大寺の瓦を焼いた場所とされており
   数百か所の山肌を利用した穴窯の遺跡があるところです。

   渥美の土はやや耐火度が低いとされていますが
   穴窯での1230度20時間焼成では問題ありませんでした。

   渥美の穴窯は瓦だけではなく
   茶碗、壺などの食器も焼かれていたようで
   日本唯一の国宝壺 「秋草文壺」は渥美焼です。

   渥美半島に穴窯が各所に点在するのは
   穴窯の天井が壊れての移動もあったと思いますが
   多くは燃料となる木材を求めてのものと思われ
   当時は燃料としての木材を現在の穴窯のように赤松だけではとても無理で
   入手しやすい周辺の雑木を燃料として使用していたと考えられます。

   
   少し大きな夢ですが
   渥美の土を使い、穴窯で雑木を燃料として渥美焼を再現できるのではと考え
   渥美に穴窯を作りたいと思うようになりました。

   幸い先生(河合正幸先生)の持っている穴窯は
   今まで見たこともないほど灰がのる窯で
   釉薬を全面にかけたのではないかと間違えるほどです。

   私も薪窯は福岡、常滑、伊豆と経験してきましたが
   ビックリするほどの焼き上がりです。

   それと合わせて先生の窯は焼成頻度も
   ほぼ月に一回のペースと、けたはずれに多く
   100回焼成したのち傷んできたので
   
   一度レンガをひっくり返しまた積み直して
   現在の窯になってからでも
   すでに30回焼成しています。(2013年3月時点)
   


   先生の指導を受けて
   先生の窯と同寸の穴窯を作りました。

   製作には約3か月。
   図面等はないので先生に随時聞きながら
   ほぼ一人で作ることができました。

   まったく初めての経験だったので初めはいろいろ戸惑いましたが
   次第に面白くなり
   後半はレンガ積みに夢中になりすぎ
   ほとんど自分の陶芸作品を作るのを忘れてしまっていました。


   穴窯製造の過程を写真を主に紹介しています。
   よかったらご覧ください。


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 穴窯製造過程